アメリカでは、5p-Societyという団体があり、とても活発な活動をされています。中でも注目すべきことの一つに、様々な国の窓口として、国際コンタクト担当という係をつとめる方がいらっしゃいます。ここでは、国際コンタクト日本担当の田中史子さんからのメッセージをご紹介いたします。
カモミールの会も聞きたいことがある時などは、メールをして連絡を取り合っています(メールアドレスは5p-SocietyのWebサイトをご参照ください)。
遠いニューヨークの地で、同じような悩みを抱えながらも、一つ一つ乗り越えていらっしゃる田中さんの生き方には、感動さえ覚えます。
同じ空の下、今日も仲間たちが頑張っているんだなと思うと、ちょっと勇気が出てくる気がしませんか?
はじめまして。ニューヨーク在住の田中史子です。現在5p-Society国際コンタクトの日本担当です。
娘は地元の中学校の特別支援学級に通っています。ニューヨークは障害者に対する福祉にとても手厚く、生後4ヶ月で5p-症候群と診断されてから、6ヶ月の時から毎日PT・OT・STのセラピストが自宅に来てくれました。特別支援の先生も1日おきに来てくれて、ありとあらゆる種類のおもちゃの使い方や遊び方などを教えてくれました。毎日、セラピーがあるので、家の中を片付けないわけにも行かず、スケジュール調整で忙しかったのですが、おかげで悩む暇もありませんでした。話し相手がいたのも良かったです。2歳からは幼稚園に送迎つきで通い始め、学校と自宅の両方でセラピーを受けている時期もありました。ちなみにこれらは全部無料です。障害を持つ子供の権利を主張するニューヨーカーが多いおかげで、とても恵まれた環境で療育を受けさせることができました。普段アメリカ生活をやめたいと思うこともあるのですが、そんな時は障害者支援が良いからと思って耐えています!
もちろん全てが順調ではありません。初めて生まれた子供に障害があると聞いて、育てていけるのだろうか、将来はどうなってしまうんだろうかと夫婦で悲しみました。大変な日々が続きました。起こされ、つねられ、眠らせてくれない夜、何年も続くトイレトレーニング、だらだらたれるよだれ、掘り起こされる観葉植物・・・ なんでも口に入れて飲み込んでしまうので、取り出すために2度も手術を受けています。バランスが悪いので何度も転び、血だらけの娘を救急病院に何度も運び、何時間も病院で過ごしました。癲癇の薬の副作用と思春期が重なってわが子の扱いが難しくなり、私が精神的に参ってしまう時期もありました。離婚の危機も乗り越えています。お父さんの協力無しの障害児育児は不可能ですね。この子はこのままでいい、と感じるようになったのはつい最近。今は彼女の屈託のない笑顔と純粋に愛情を示してくる姿がかわいくて、家族みんなで幸せを感じています。
5p-Societyのフェイスブックから世界各国の5p-の子供、大人、その家族の様子が伝わってきます。子供が同じ障害を持っていることで、特別なつながりを感じます。年に1度大きな会合があり、アメリカ全土から5p-ファミリーが集まります。夏休みは日本で過ごすため私たちはまだ参加したことがないのですが、写真で見るみんなの笑顔に癒されます。日本でも5p-の集まりがあったらぜひ参加してみたいです。同じ苦しみや喜びを分かち合える仲間の存在は精神衛生上とても大切ですよね!
カモミールの会の繁栄を心よりお祈りしています! そしていつかお会いできることがあればいいですね。
ニューヨークの福祉や教育にご質問があれば、そしてこちらにいらっしゃることがあればぜひご連絡ください♪
2018年6月
5p-Society 国際コンタクト 日本担当
田中 史子